SFTSウイルス 4人死亡確認、マダニで感染

http://mainichi.jp/opinion/news/20130221ddm003040084000c.htmlより、
クローズアップ2013:4人の死亡確認、SFTSウイルス マダニで感染、謎多く
毎日新聞 2013年02月21日 東京朝刊

 ◇昔から国内に存在? 厚労省「流行ではない」
 国内で新たに確認された重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスによる死者が相次いで4人確認された。媒介するマダニ類は本州以南に広く生息。ウイルスは以前から国内に存在した可能性が高く流行する可能性は低いが、感染の経緯には未解明な点が多い。厚生労働省や関係各県は死亡患者やその遺族に配慮して詳細の公表を控えており、感染防止に関わる情報が国民に十分伝わらない懸念も広がっている。【井崎憲、久野華代】

 SFTSは09年に中国で初めて発生、2年後にウイルスが特定され、日本では今年に入って死亡例が確認されるようになった。しかし、厚労省や専門家は「ウイルスは中国で確認される前から国内にも存在していた」との考えで一致している。
 国内で死亡した4人のウイルスの遺伝子にほとんど差はなかったが、中国で検出されたものとは遺伝子の塩基配列がわずかに異なっていた。4人は感染が考えられる時期に海外渡航歴がないため、国内で感染したとほぼ断定された。これまで、ウイルスの存在自体が知られていなかったことや、初期症状が風邪に似ているため、発症しても他の感染症と診断されたり、原因不明の死亡と扱われたりしていた可能性がある。
 厚労省は「感染源が特定できたので死亡例の確認が続いている。急に流行するわけではない」と冷静な対応を呼びかける。実際、中国の疾病対策センターと世界保健機関(WHO)の共同リスク評価では、SFTSの公衆衛生への影響は軽微と判断されている。
 一方、同じダニ媒介の感染症のツツガムシ病や日本紅斑熱(こうはんねつ)には抗菌薬投与など有効な治療方法があるが、SFTSに予防のための有効なワクチンはなく、治療も対症療法に限られている。
 さらに、中国で感染を媒介したのはマダニの一種であるフタトゲチマダニなどと特定されているが、日本の4人は死亡から数カ月以上たっており、ダニに刺された痕は確認できない。中国のようにマダニ類から感染した直接的な証明はない。
 このため、厚労省はマダニ類の活動が活発になる春以降、捕獲などを通じてウイルス保有状況をはじめとする未解明だった実態の調査を始める。ダニの生態に詳しい国立感染症研究所昆虫医科学部の沢辺京子部長は「家屋にいるイエダニは感染症を媒介しないので、マダニ類とは区別する必要がある」と指摘。中四国と九州で死者が出ていることについては「理由があって西日本に集中しているわけではないだろう」との見方を示し、「フタトゲチマダニは都会でも草むらに生息している可能性があるので注意が必要だ」と話している。

http://mainichi.jp/opinion/news/20130221ddm003040084000c2.htmlより、
 ちなみに中国では、犬など人間以外の哺乳類がSFTSウイルスに感染した例があるが、発症は確認されていないという。

(写真)各県が公表したSFTSによる死亡事例の概要。質問項目は(1)経緯と症状(2)感染が想定される時期にマダニが生息していそうな森林ややぶへ行ったか。海外渡航歴の有無(3)詳細の公表を避けた理由。遺族からの要望の有無など
 ◇情報開示不足 遺族に配慮、予防に影響も
 「特定されることをご遺族が心配している」。田村憲久厚労相は19日の記者会見で、死亡者の個人情報を明らかにしない発表スタイルを続けていく方針を示した。
 病原性大腸菌O(オー)157による食中毒やインフルエンザによる死亡の場合、ほとんどの自治体は患者の年齢・年代や感染原因と思われる施設名を公表する。しかし、SFTSでの死亡が確認された男女4人は成人という以外、年代や居住する市町村、感染が疑われる経緯は非公表のままだ。
 09年からSFTSの発生が報告されていた中国では、患者の97%が森林・丘陵地域に居住する農作業従事者だったことが判明している。
 これに対して、厚労省や関係4県は死亡者について、感染が疑われる時期の海外渡航の有無の他には「山に行くことはあった」(宮崎県)、「農作業従事者ではなく、外出は自宅周辺の散歩程度」(広島県)などの情報しか明かしていない。場所が都市部か山間部なのかや、高齢者に死者が多いかなど、感染防止策にも関わる情報は公表されない状態が続いている。
 感染実態が不明のままでは、野外に出ることの多い農林業関係者を中心に不安が広がる可能性もあるため、林野庁は林業従事者にマダニ類への注意を喚起する予定だ。
 厚労省や各県によると、背景には「感染症で死亡したのを知られれば厳しい目をむけられる」という遺族の強い懸念がある。愛媛県は毎日新聞の取材に対してこうした遺族の意向を「確認していない」と答えたが、他3県では「地域事情もあり公表を控えてほしい」(広島県)などの要望があったとしている。
 ある自治体の衛生担当職員は「特定の市町村にスポットを当てて報道されたくない意向があるのではないか」と推測。一方、厚労省結核感染症課は「遺族の了解がなければ、感染の確定診断に必要な血液検査さえできない」との事情を強調する。
 SFTS感染の可能性が高い患者の血液で検査が終わっていないものは、まだ9件ある。厚労省は確認が終わった段階で、患者の個人情報について開示できる部分があるか改めて検討する。

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